chapter 27~ chapter 27 “別れ” ~ 彼と付き合って3年、私が22歳の時に彼とは別れた。 まだ好きだった。けれど「彼の彼女」という立場を1度捨てないと掴みたい物が上手く掴めない。 もっと色んな人と接して、もっと成長して、もっと自分を強くして、 それからまた彼の元に戻りたかった。 私はもっと何か出来る。もっと自分の力で自分自身と自分の世界を作っていける。 そしてもっと自分を好きになれる。 彼と結婚するならそれからでなくてはいけない、と思った。 彼には必死に説明したが上手く伝えられず、理解はしてもらえなかった。 彼はもう自分の世界を持っていて、私が彼の世界に居るからわからないのだと思った。 それでも “彼との出会いは運命だ”とまで思っていたので 浅はかにも私はいつか戻る事が出来ると信じていた。 別れる事になったと彼から聞いた彼の友達が、別れる事を反対し 私に「もっと他に遊びたい気持ちわかるよ。でも好きなら別れる事ねぇよ。 上手くやればいいんだって・・・!」とアドバイスをくれたけれど その時の私には上手くやる、という事がどういう意味かわからなかった。 彼に内緒で行動することはいけない事だった。 それをするなら彼と別れなければいけないと思っていた。 最後に彼の友達は私に言った。 「真面目すぎなんだよ。お前らすげぇ似合ってんのに・・・絶対後悔するぜ。」 そうして私は居心地のいい場所を捨て、自分自身を探し始めた・・・。 彼の家に行きやすい場所にと思って勤めた会社は通うのには 満員電車に1時間半も乗って行かなければならず毎朝それが苦痛だった。 電車の中で気を失っても倒れられないくらいの混雑。 駅に着くと人の波にのまれて降りたい駅に着く前に降ろされてしまう。 めまいと吐き気のせいでまた同じ電車に乗るのは困難だった。 何度も途中の駅で駅員さんに助けてもらった。 駅員室でしばらく横にならせてもらう事もあった。 そういう時はもう反対行きの電車に乗って帰ってしまう。 混んでる電車に戻る気力はなかった。 “電車に乗るのが怖い。人が多すぎるし近すぎる。人が怖い・・・。” 遅刻が増え、欠勤も多くなる。 そしてその会社には通いきれないと思い、 彼と別れる事になるのとほぼ同時期に辞めた。 私は自分で「私は根性なしだ」と思っていた。 そしてもっと強くならなければ、と。 ◆chapter 27について(日記) へ ◆chapter 28 へ |